スザクの予想に反して、コーネリアはもう帰った後だった。ルルーシュも奥の部屋でしっかり閉じこもっていたそうだ。コーネリアが帰った後ルルーシュの部屋を覗いたがいつものように体調もよくないのか眠っていたようだ。しかし、カレンの怒りは強かった。皇族に一人相手取って立ち会ったのだ。
カレンにはなんとか言い逃れたが、そろそろこの芝居も限界だと告げられる。
スザクとしても、休暇後、特派に戻るよう言われてしまっている。確かに、もう軍人としてこの場所にい続けることは出来ないだろう。
いつものように癖で、ルルーシュの寝顔を見にベッド横の椅子に座り込む。少し、苦しそうな表情で見ている夢は悪夢なのだろうか?
「ルルーシュ、ただいま」
ルルーシュの部屋を出ると、カレンに詳しく今日のコーネリアとの話を聞く。大きな軌道修正は必要なさそうだが、細かいところでぼろが出そうでもある。おもいきって軍を抜けて出国、ブリタニアとも違う場所で暮らすべきか?ルルーシュも少しくらいなら移動に耐えるくらい体力は戻っている。
悩みながら、もう一度、ルルーシュの部屋に戻るとルルーシュは目を覚ましていたようだ。
「おはよう、ルルーシュ、おきていて大丈夫」
いつものように、声をかけるがルルーシュはわずかな違和感を感じさせながら、いつものように笑顔でスザクにお帰りと挨拶する。
(ああ・・・重なるときは重なるんだ・・・)
心の中で、ため息をつく。
「ルルーシュ、思い出したんだね」
泣きそうな顔になっているのはどちらだったろう。自分か、ルルーシュか・・
ルルーシュはしばらくじっとしてから、ゆっくりと眼帯をはずした。
「ああ、スザク」
同じ声、けれど違う。