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スザクが不満そうな顔をしているのを見て、ルルーシュは首をかしげた。忙しくなってきた仕事も昨日から休みで今回は1週間も休暇があるそうだ。ルルーシュもスザクが近くにいてくれると楽しみにしてた。

「どうした?スザク?何か悩み事か」

今日のルルーシュの服はカレンの趣味か真っ黒なブラウスにズボンだった。

「んー何も、ルルーシュ全身黒でなくていいんじゃない?」

「別にいいだろ、・・なら交換するか?」

スザクの上着のボタンをはずし、脱がしてくる。

「ルルーシュ・・誘ってる?」

「だから、お前は馬鹿だ」

ルルーシュのブラウスを投げつけ、スザクが羽織っていた白いブラウスをまとう。鍛えられたスザクとは違い、細いルルーシュの体には白い羽のようにまとわりつく。

「スザク、お前も着てみろ」

黒地のひらひらしたブラウスはルルーシュなら似合うだろうが、スザクにはどう考えても似合わなさそうだ。

「・・・無理じゃないかな」

とりあえず、ルルーシュの服が白くなったことに満足することにした。



「で、悩み事はなんなんだ?まさがか俺の服が気に入らないだけだ、なんていうつもりはないな」

はぐらかそうとしているのを防ぐためにスザクと服の交換したのだ、ここで逃げられるわけには行かないとスザクを見つめた。

「それが、休暇返上で皇室の方の警備の任務がはいって。ほら、僕の立場としては断れないし。このまま特派に戻ってエリアに飛ばされることもありえるから」

「皇室?ブリタニアの皇帝が来るのか?って、スザクって実はえらかったのか?」

驚いたようにスザクに問いかけるルルーシュは自分も皇家の血を引いているなど露ほども考えていない。

「まさか、皇帝陛下なはずないよ。ボクが前に任務についていた技術部の上司のさらにトップが第二皇子殿下だから、一度面識あるんだ。あと、第二皇女殿下もいらっしゃるみたいで、・・」

名前も下手につげてルルーシュの記憶を刺激しないように計らう。

しかし、ルルーシュも的を得ないスザクの言葉にストレートに疑問をぶつけた。

「それで、一介の兵士が会える相手じゃないだろう?」

ルルーシュにはユーフェミアのことを伝えていない。自分がユーフェミアの騎士であったことも知らない。ずっと、軍に入っているが、何かの作戦で傷病兵と認定されているから休みがあるんだろうとも思わせていた。

「それは・・・今はいえない。だからね、ルルーシュ絶対この家から出ないで待っていてくれる」

懇願するように見つめれてルルーシュはうなずく。

「お前が望むなら」

ルルーシュはいつものスザクの独占欲と心配性だろうと笑ってうなづいた。



それが、平穏な時間の終わりと二人は知らずに。